水田農業が中心の日本であるが、北海道は畑作農業と畜産農業がおおく、それが府県と異なる農村景観の形成に繋がっている。
特に美瑛や女満別などのパッチワーク的な景観は、写真家でなくても、カメラに収めたくなる。前田真三の「麦秋鮮烈」を初めて見たのが、コンピュータのブラウン管モニターからのものであったので、一際、赤が鮮烈だった。それから、いつ見ても刺さってくるものがある。
麦と馬鈴しょ、豆などがバランス良く作付けされた景観は、国境措置と生産者への直接支払制度の下支えがあって成り立っている。制度が維持され、これからも美しい農村景観を見続けられることを願っている。
写真は、北海道でしか作付けされていないてん菜。ビート、砂糖だいこんとも言う。
馬鈴しょや豆のかわいい花や麦の収穫時期の派手さに比べると、巨大なほうれん草のようでちょっと地味かも、ではあるが畑作における輪作を構成する大切な作物であり、寒さに負けない頼もしい作物。また、北海道のスィーツのおおくを陰ながら支えてもいる。と思いつつ、強烈な日差しの夏には、てん菜の砂糖が入った赤いコーラを飲みながら、てん菜の広大なハタケの際にてツーリングの休憩としたい。