柳月の三方六、白樺の薪をモチーフとしたバームクーヘンを出張のお土産でいただくことがある。コーヒーを添えてパクッと食べる。
ツーリングで見かけた農業の限界地の白樺の植生を思い出す。谷底平野の傾斜には山林があり、傾斜の少ないところは、河川に沿って畑や牧草地の耕地が連なる。標高が上がり、少し風が涼しげになり、耕地の連担が途切れるあたりで、白樺に会うことがおおいよう。開拓が放棄されたところに植生する白樺がパイオニアツリーと呼ばれるのも皮肉な感じもするが、その考え自体が傲慢で、白樺は一度ヒトに預けられた土地を森林の生態系に返していく先駆者ということなのだろう。
白樺を横目で眺めつつ、この土地にどんな歴史があったのだろう、と考えながら、山深くに進むワインディングロードを走り抜ける。